長文読解の基本はトップダウンで文脈を正確に読み取ることですが，これを大雑把な当てずっぽうで良いと誤解している方が少なくありません．とりわけ典型的なボトムアップである文法訳読法に馴染んでいる場合は内容語の継ぎ剥ぎに頼って情報構造を無視し誤読に陥るケースが目立ちます．指示語句に注意をはらって語の意味解釈を文脈に則って行うだけでこのような事態は避けられますし，多くの受験生が苦手とする未知語の推測も容易になります．一語一句を日本語に置き換え継ぎ合わせるやりかたで長文を理解しようとしても，必ずどこかで行き詰まります．正しいトップダウンを行うことが長文読解の第一歩．良質の入試問題を題材に，その手順を指導します．すでに直読直解になじんでいる方にはそのスキルを更に深化し，文法訳読法の超遅読から脱却したい方にはその手がかりを得る，またとない機会です．