方針と理念

佐藤 正人 (リンガ・ランゲージ・スタジオ代表)

佐藤 正人
リンガ・ランゲージ・スタジオ代表

国際基督教大学(ICU)教養学部卒.同大学大学院前期博士課程修了(教育学修士).GDM英語教授法研究会会員

米国ハーヴァード大学で開発されたGDMは,アジア人に英語を教える経験から生まれた,日本人に最も学び易い英語学習法です.初めて英語を学ぶ場合でも日本語による説明がいらない抜群の明快さを誇り,聞く話すはもとより,素早く正確に英文を読み自然な文章を正しい英語で書くことが無理なく,しかも確実にできるようになります.私たちのオール・イングリッシュ・プログラムは,この優れた学習法の理論と技術を基礎に,意味と構造の核心を直裁に提示する実践のノウハウを集積する一方で,既存の英語学習法の問題点と本質的な限界を突きつめ,関連領域の最新の知見にも十分に目配りしつつ,日本人学習者の学力特性に最適化したものです.中高生には最初期から大学入試までの一貫指導,社会人には効果の高い英語再入門と,共通のカリキュラムで初学者にも経験者にも対応出来る柔軟性も,GDMならではのものです.最大の特色は言うまでもなく,学習の第一歩から英語で理解し英語で考えられること.それ自体は,実は何も特別なことではありません.連続する英語を聞いているとき,それを日本語におきかえながら理解することなどできません.そんなことをしたら,その瞬間についていけなくなるからです.日本語で考えながら英語で話し続けることもできません.もうお分かりでしょう.聞き話す訓練こそが,英語で考える最も重要なトレーニングであり,その訓練なしには,まともに英語を読む書くことも覚束ないのです.英語教育の惨憺たる現状を見ればこのことは一目瞭然です.「聞く」「話す」だけではありません.英語で「読み」「書く」能力が世界レベルで見れば悲惨なまでに貧弱な事実こそよほど重大ですが,これも「英語で考える」訓練をハナから怠って訳読に明け暮れてきた必然的な結末です.

私たちが目指すのは,大量の英文を苦もなく読みこなし,必要な文書を正確な英語で書く力に「聞く」「話す」を併せた4技能を丸ごと鍛え上げることです.それこそが私たちの社会で現実に求められる(その意味で最も「実用的」な)英語力だと考えます.例えば直読直解.高校/大学入試の長文を苦にもしない圧倒的な長文読解力も,その自然な延長に過ぎません.聞き話す訓練こそ読み書く本当の基礎とは,こういうことを意味します.いわゆる「英会話」に興味はありません.「英語で考える」力が備われば,「英会話」など何も特別なことではないからです.

この目標に単なるオウム返しや暗記は役に立ちません.系統性のない,いわゆる “英語のシャワー” も1日24時間を英語に浸りきるのでない限り焼け石に水.聴き話す練習ならどんなやり方でも良いわけではないのです.私たちが技術と方法にこだわる理由がここにあります.日本人の英語ベタは文化や民族性の問題ではありません.はっきりした原因があります.やり方が間違っているだけです.正しく行えば結果は自ずとついてきます.早期教育など必要ありません.私たちの実践がそれを証明しています.