冠詞・基本動詞・前置詞ーー初心者にも上級者にも最重要の語彙ツール，そして日本人に共通の弱点です．これを基礎から徹底的に練習します．いたずらに単語は増やしません．基本語彙を日本語に縛られずに使いこなすことが，本当に英語が話せる第一歩です．

＜単語や短いフレーズは聞き取れても文が長くなるとついていけない＞＜質問に単語で答えることはできても，文で答えようとすると破綻する＞＜易しい英語でも一字一句を日本語に置き換えないとわかった気がしない＞：以上のうち一つでも思い当たることがある方は，是非ここから始めてください．

構文はかなり複雑なものを含み，それが確実に身につきます．「訳と文法」で英語を学んできた方には，目からウロコの体験となるでしょう．

通常期への継続を希望する方は通常期 大人のための話す基礎英語Ⅰに９月から編入できます．

易しすぎるくらい易しいところから始めることがポイントです．失敗する方の多くが自分の英語を過信し背伸びした状態で始めています．どのページを見ても分からない事はほぼ皆無で，抵抗なくスラスラと読んでいけるところから始めることが大切で，ほとんどの方には，中学レベルの易しい英文が適正レベルとなるはずです．素材にもよりますが，１ページを２〜３分で読み，日本語を意識することなくほぼ完全に内容が理解でき，そのまま読み続けて１時間で数十ページが読破できるスキルを獲得することが第一段階です．辞書と首っ引きで一語一句を日本語に置き換える作業とは異質のスキル，つまり直読直解であることを肝に銘じてください．このスキルは聴いて理解する能力と実は同質です（長文が苦手な方は多くの場合，聴いて理解することに問題を抱えています）．このレベルの英文でこの作業に困難を感じる場合は大人のための話す基礎英語から始めることをおすすめします．

繰り返しになりますが，ゆっくり読んでわかっても意味がありません．設定されたスピードで読みながら徐々にレベルを上げていく．それで初めて，本物の読解力が身につきます．言語を処理する脳の認知機構は，あるスピード以下ではうまく働かないことがわかっています．一定以上のスピードを維持して読むことに慣れると，その方がゆっくり読むよりずっとラクに読めることに気づくはずです．それが多読プログラムの到達目標．夏期プログラムはその第一歩です．

易しい英文を大量に読む大きなメリットの一つは，日常的に重要となる基本語彙の用例が自然と身につくこと．受験用単語集で覚える数だけ多いが応用性に乏しく薄っぺらな語彙力とは違う，応用性に富んだ柔軟で分厚い語彙・語法の知識が形成されます．１ヶ月程度では仲々そこまで届きませんが，長期的にはこれも大きな目標です．